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概要
オライリーの「Effective Debugging ―ソフトウェアとシステムをデバッグする66項目」を読んだので感想を書こうと思います。
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書籍概要
どんな本?
数々の人気の技術書の著者として、さらには数多くのオープンソースの開発や教育活動で名高いコンピュータ科学者ディオミディス・スピネリスの最新刊。
心構えから思考法、Gitなどシステムを使った方法論、システムの開発から保守運用に至る戦略、並列処理も含めた技法、コマンドラインを駆使したツール、ハードの扱いまで含めたヒントなどさまざまな角度からデバッグの本質に迫ります。有効なデバッグ手法を体系的に網羅し、すぐに応用できる具体例も多く挙げられています。
デバッグの感覚とスキルを高めることによって、開発効率を改善し、高品質のコードを書くことが可能となります。作業効率と品質を向上させたい全プログラマ必読の一冊です。
- Diomidis Spinellis 著、黒川 利明 訳、大岩 尚宏 技術監修
- 2017年06月 発行
- 252ページ
- 定価3,520円(税込)
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内容のまとめと感想
プログラマにとっては必ず必要になる、「デバッグ」に焦点を当てた本です。
「デバッグ」という言葉自体は意味が広く、人によって定義が異なると思いますが、本書における「デバッグ」とは、不具合などの問題が発生したプログラムの原因を見つける作業になります。
このデバッグ作業ををどのようにやるべきかといった指針や方法などが、項目ごとに細分化されて66項目書かれているのが本書です。
書かれている内容としては大きく下記の3つにカテゴライズされています。
- 戦略と手法:デバッグに取り組み際に知っておくべき基本的な考え方や取り組み方
- スキルとツール:デバッグ時に使えると便利なツールや手法
- 技法のアイディア:汎用的では無いが、一部の難しい問題に取り組むときに役立つ技法
良かった点
幅広い概念を含み、適応範囲が広く書かれている
本書はどうやって、デバッグに取り組んだらいいかといった戦略や手法に関して書かれていて、特定の言語やツールに依存しない形で書かれている内容を多く含みます。
ですので、言語や開発環境に囚われず幅広い開発者が理解できる内容になっています。
課題管理、構成管理ツールなどデバッグ作業自体ではなく周辺の環境に関しても書かれていて、如何にデバッグ作業を効率化するかといった点で幅広いテーマが取り扱われているのが面白いポイントですね。
また、ある程度経験のある開発者ならば、無意識的にやっている内容がしっかりと言語化されて、腑に落ちるといった内容も多くあると思います。
手法に関して説明を行う際には、様々なOSや言語における例を挙げていて、広い間口でカバーできるように心がけているのも良い点だと思いました。
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気になった点
具体的な手法に関しては自身で学ぶ必要あり
良い点で書いた通り、幅広いターゲットを間口にしているため、具体的な手法やツールに関しては概要レベルの説明に留まっています。
より深い使い方を学びたいならば、自身で深堀りする必要があります。
具体的な話は低レイヤが多め
コードを使った具体例を含む説明も何箇所がありますが、使われているコードは C,C++がメインでJavaが少々といったイメージ。
そうすると説明されている内容も必然的に低レイヤに近い内容が多くなり、こういった内容に馴染みがないと理解が難しいです。(もちろん私も該当)
全般的には幅広いテーマにはなっていますが、低レイヤを触る開発者の方がより本書にあっていると思いました。